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「小麦」の雑草防除について

2020.02.14

~今、ほ場で雑草を確認しましょう!~

令和2年1月24日

東近江農業農村振興事務所農産普及課

(東近江農業普及指導センター)

 

 暖冬で小麦のほ場に雑草が多い傾向です。マメ科雑草やハルタデは、小麦の収穫や調整作業に支障をきたす場合があります。ほ場ごとに雑草の発生状況を観察し、防除を検討してください。

 

表)「小麦」の防除剤の紹介 農業登録は令和2年1月17日現在

農業名 適用雑草名 散布時期など 散布方法など 本剤の使用回数
MCP ソーダ塩 一年生及び多年生広葉雑草

幼穂形成期

但し収穫45日前まで

10aあたり200~300g/70~100ℓ

低温、降雨の予想されえる場合は避ける

1回
ハーモニー75DF水和剤 一年生広葉雑草、スズメノテッポウ は種後~節間伸長前 10aあたり5~10g/水100ℓ 1回
一年生広葉雑草

節間伸長開始期~穂ばらみ期

但し収穫45日前まで

10aあたり3~10g/水100ℓ

ギシギシ類

秋播栽培の幼穂形成期

但し収穫45日前まで

10aあたり3~5g/水100ℓ
カズノコグサ 麦1葉期~節間伸長前

10aあたり10g/水100g

農薬使用時には、必ず容器のラベルを確認し、登録内容にしたがって使用してください。

注意:ハーモニー細粒剤Fを使ったほ場では、ハーモニー75DF水和剤は使用できません!

 

1.MCPソーダ塩について 重要!

  • カラスノエンドウ、スズメノエンドウ等のマメ科雑草に効果があります。
  • MCPソーダ塩は分げつ抑制作用があるので、麦の茎数を確保してから散布してください。
  • 除草剤の効果は、高温・晴天時ほど高いので、低温時や曇雨天の散布は避けます。
  • 散布直後の降雨により効果が低下するので、降雨前の散布は避けます。
  • 雑草茎葉処理で効果を発揮するため、適用の範囲内で雑草の発生をなるべく待って散布します。カラスノエンドウは春先3月下旬まで発芽するため、農薬の登録範囲内で防除を遅らせる方が効果は高まりやすいです。
  • 散布時期が遅すぎると麦が繁茂し、雑草に薬液が付着しにくくなり、効果は低下します。
  • 散布時期(めやす)は3月上旬です。今年は麦の生育にばらつきがあるため、散布前に、ほ場で麦の幼穂が形成されていることを確認し、散布時にマメ科雑草に対して薬液が付着する生育状況であることを、しっかりと見極めてください。

 MCPソーダ塩は、散布時および散布後の低温により、効果が低下します。気温が高い、天気の良い日に散布しましょう。散布後2、3日程度、晴天が続くと効果は安定しやすいです。

カラスノエンドウ(2月撮影)
大麦に絡みつくスズメノエンドウ(5月撮影)
晴天のあたたかい日にMCPソーダ塩を散布(3月撮影)

枯死したカラスノエンドウ(4月撮影)

 

2.ハーモニー75DF水和剤について 重要!

  • ハルタデ、スズメノテッポウ等の広葉雑草に効果があります。
  • ハルタデを防除する場合、薬剤散布の時期(めやす)は、小麦の幼穂形成期~穂ばらみ期(但し収穫45日前まで)です。今年の場合、散布時期のめやすは2月中下旬です。
  • 雑草茎葉処理で効果を発揮するのでハルタデの発生をしっかりと確認してから散布します。
  • ただし、散布時期が遅すぎると麦が繁茂し、雑草に薬液が付着しにくくなり、効果は低下します。
  • 散布直後の降雨により、効果が低下するので降雨前の散布は避けます。
  • ハーモニー細粒剤Fを使ったほ場では、ハーモニー75DF水和剤は使用できません。
ハルタデ(1月撮影)

収穫前の麦とハルタデ(5月撮影)